地域全体で糖尿病治療に取り組んでいくことが大切-国保でHOT情報2017年3月号-

糖尿病と判定される検査項目、HbA1c6・5以上の人数が全国1位の鹿児島県。糖尿病は、重症化すると糖尿病性腎症を発症し、人工透析へ移行する場合もあることから、厚生労働省が糖尿病性腎症重症化予防プログラムを策定している。鹿児島県でも県医師会等と協力して、糖尿病性腎症重症化予防プログラムを作成し、市町村が重症化予防に重点的に取り組んでいる。そこで、国保でHOT情報では糖尿病について、公益財団法人慈愛会今村病院の鎌田哲郎院長にお話を伺い、3月1日にお伝えしました。

がんや認知症も糖尿病があると起こりやすい

糖尿病とはどんな病気ですか?なぜ治療が必要なのですか?

鎌田先生

糖尿病になると、血液中のブドウ糖の濃度が高い状態が長く続く結果、体のさまざまな血管と神経が障害されるいわゆる合併症と呼ばれるものが起こってきます。眼底出血や腎臓が悪くなっての血液透析、動脈硬化から起こる心筋梗塞や脳卒中、足切断などがあります。また歯周病も糖尿病があると悪化しやすく、また最近ではがんや認知症も糖尿病があると起こりやすいことが明らかにされています。(図1)

これらの合併症は、治療をきちんと続けることで、防ぐことが可能で、正常の人とまったく同じ生活と生涯を送ることが出来ます。

食事や運動は糖尿病治療の重要な土台

最近よく耳にする〝グルコーススパイク〟とは、なんですか?

鎌田先生

糖尿病の患者さんでは、食後に急に血糖値が上がります。
この食後高血糖をグルコーススパイクと呼んでいます。この食後高血糖は、動脈硬化の原因として重要で、また食後高血糖が繰り返されることで、次第に糖尿病自体が悪化していくことから、食後血糖を上げない食べ方や運動が治療の上でとても重要です。(図2)

最近、新しい薬物療法が開発され、日常臨床でよく使われるようになっていると聞きます。そんな中で、従来の食事や運動療法もやはり重要なのですか?

鎌田先生

新しい薬物の登場で糖尿病の薬物療法は最近大きく変わってきており、治療成績も良くなってきていると思います。しかし食事や運動は糖尿病治療の重要な土台であることは現在でも変わりなく、新しい薬を使っても、食事に問題が多かったり、体を動かさない方では、十分な効果が期待できず、あっても長続きしない場合が多いです。健康的なライフスタイルを身につけることは、糖尿病を治療するうえで、今も非常に重要なことです。食事や運動のやり方などは、栄養士や療養指導士などの専門家に具体的にやり方を習うのが最も確実で早道です。

定期的に専門施設でアドバイスを受ける

糖尿病の治療連携とはどんなものですか?

鎌田先生

糖尿病の治療は、通常外来診療で行われる場合がほとんどで、多くの場合それで問題はありません。しかし、食事指導やインスリンの複雑な打ち方の調整、合併症の治療などは、専門施設でアドバイスを受けたほうが良い場合もあります。そこで、鹿児島市では通常の検査や治療はかかりつけ医で診てもらい、問題がある時や6カ月毎に定期的に専門施設でも診てもらい、一緒に治療を続けていこうという連携の試みを平成25年から行っています。専門施設では、糖尿病の専門医だけでなく、糖尿病療養指導士の資格を持つ専門スタッフが、食事や療養指導を行います。待ち時間の負担を減らし、かつ質の高い糖尿病治療を多くの患者さんに提供しようとしています。(図3)

公益財団法人慈愛会今村病院の鎌田哲郎院長

一方、県内では鹿児島県糖尿病対策推進会議が中心となって、糖尿病治療の標準化という勉強会を県内の医師会の先生方と一緒に行ってきています。また鹿児島は糖尿病からの腎不全、透析患者さんの数が多いので、腎臓の専門医の先生方と協力して治療をやっていこうという試みもなされようとしています。地域全体で糖尿病治療に取り組んで行くことが大切と考えています。

 

2017-03-24
カテゴリー: 国保でHOT情報 

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