発見手段の拡大と周知広報の強化 ※第三者行為求償の取り組み(霧島市)-国保でHOT情報2018年5月号-
保険給付の対象となる疾病、負傷、死亡等については、第三者の行為の結果生じたものであっても保険給付の対象となる。保険者は、保険給付を行った後、被保険者から傷病届の提出を受けてはじめて、損害保険会社等への損害賠償請求が可能となる。そこで、国保でHOT情報では、第三者行為による傷病発見の手がかりとなる情報の提供を受ける体制を構築している霧島市の取り組みを取材し、3月24日にお伝えしました。
市町村が加害者に対し損害賠償を請求
第三者行為求償とは、どのようなものでしょうか?
豊田主査
交通事故等、第三者の行為が原因でケガの治療を受けた場合、損害賠償として、過失に応じて、加害者が負担するのが原則ですが、決定するまで時間がかかってしまう場合などに、国民健康保険の被保険者が支払いをせずに済むよう、国保を使って治療を受けることができます。その後、市町村等がかかった医療費の保険負担分について、加害者に損害賠償を請求します。
パンフレットで届出促進
霧島市では、どのような取り組みを行っているのでしょうか?
豊田主査
霧島市では、第三者行為求償の届出の促進に取り組んでいます。その一つとして、国保について理解していただけるよう配布している「知ってあんしん、みんなの国保検定」のパンフレットでも、交通事故にあったときの給付や届出について、お知らせしています。
届出により、損保会社に請求を行った損害賠償額の収納が、平成27年度が25件の約382万円、平成28年度が59件の約1625万円となっています。
リストを作成し被保険者に働きかける
なぜ届出が必要なのですか?
豊田主査
届出により、立替えた医療費を損保会社に請求できますが、届出がないと、第三者の行為と確認できないため、損保会社に請求できず、国保が負担することになるからです。
届出がない場合は、どうしているのですか?
豊田主査
病院等からのレセプト情報や、消防局からの救急搬送報告を基に、第三者の行為によるケガ等の疑いがある人のリストを作成し、病院等へ確認を行い、第三者の行為と確認できた場合、対象者に届出の勧奨を行っています。
勧奨は通知をもって行っており、届出の必要書類も同封しています。届出には、保険証と印かん、そして事故証明書が必要です。
これからも、このような取り組みを続けていきたいと考えています。