かかりつけ薬局とジュネリック医薬品について-国保でHOT情報2014年9月号-
国保でHOT情報では、その人ごとの薬のアレルギーや副作用歴が把握され、安心して薬を服用することができ、また薬のことや身体のこと、衛生面のことなどを相談できる「かかりつけ薬局」と、特許が切れた医薬品を他のメーカーが製造し、価格が安価に設定されている「ジェネリック医薬品」について、公益社団法人鹿児島県薬剤師会の常務理事で、福元薬局の沼田真由美先生にお話を伺い、7月23日にお伝えしました。
薬のことや身体のこと、衛生面のことを相談
「かかりつけ薬局」というのは、どのような薬局ですか?
沼田先生
ジェネリック医薬品を選ぶことで、ご自身の負担が減る可能性だけでなく、国全体の医療費の削減につながると話す、沼田真由美先生(右)と藏薗千尋リポーター |
たとえば、いくつかの病院にかかってそれぞれで薬を処方してもらい処方せんをもらった場合でも、その処方せんをひとつの薬局に持っていって薬をもらう、また薬のことや身体のこと、衛生面のことなど同じその薬局に相談をするというような薬局のことです。
ここ最近、特に薬の開発が進んでいて薬の種類はもちろんのこと剤形、投与経路なども多種多様化しております。
それに伴い薬を併用することにより起こる可能性がある相互作用や、注意事項も新たにたくさん出てきております。
また、「ジェネリック医薬品」の品目も増え、同じ薬でもメーカーの違うものが数種類あるなど薬自体も非常に複雑化しております。
ですので、「かかりつけ薬局」と併せてお薬手帳にその都度、服用薬や体調を記載していくということも非常に大切な事です。
医療費の削減に貢献
ところでその「ジェネリック医薬品」とは、具体的にはどういった医薬品でしょうか?
沼田先生
特許が切れた医薬品について他の製薬メーカーが製造した医薬品のことで、有効性や安全性が国の基準で認められた薬です。
薬の開発にかかるコストが抑えられるため、薬の価格が安く設定されています。
では、今までもらっていた薬の代金が安くなる可能性があるということですね。
沼田先生
そうですね。同じ薬でも、メーカーや値段が違いますので、「ジェネリック医薬品」については薬剤師と相談してご自身で選ぶこともできます。
また、「ジェネリック医薬品」を処方してもらうということは、ご自身の負担が減る可能性があるというだけでなく、国全体の医療費の削減にも貢献することができると言えます。
なるほど、そういったことなども、それぞれの「かかりつけ薬局」で相談すればいいわけですね。
沼田先生
そうです。それぞれが「かかりつけ薬局」を持つことで、その人ごとの薬のアレルギーや副作用歴を把握することができますので、安心して薬を服用することができるかと思います。
また、薬の飲み残しなども「かかりつけ薬局」で整理することができます。
そうですか。そういえば、意外と飲み残した薬ってありますよね。
沼田先生
そうなんです。実は、鹿児島県薬剤師会で平成25年10月に薬局に持ち込んでいただいた飲み残し薬の調査をしたのですが、薬の値段に換算しますと、1週間で総額1,891,882円の残薬が県内の薬局に持ち込まれました。
鹿児島県薬剤師会では「おくすり整理そうだんバッグ」を作成し、残薬の整理にも積極的に取り組んでおります。
こちらも併せて「かかりつけ薬局」にご相談ください。
鹿児島の薬に歴史あり 鹿児島は島津藩の頃から、漢方薬や生薬を奨励する土地柄であったようで、以前は家伝薬メーカーが数十社あったのですが、現在では数社しか残っておりません。代々一子相伝で続いてきたような鹿児島の漢方薬が今でも販売されています。こういった薬は鹿児島の文化ともいえる薬だと思います。
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