ジェネリック医薬品の普及が高騰する医療費の抑制につながる ※ジェネリック(後発)医薬品 -国保でHOT情報2018年9月号-
国保でHOT情報では「ジェネリック医薬品」について、公益社団法人鹿児島県薬剤師会の岸本真常務理事にお話を伺い、8月4日にお伝えしました。
ジェネリック(後発)医薬品
先発医薬品と同じ有効成分で同等の効能や効果を得られるジェネリック(後発)医薬品を普及させることは、患者負担の軽減や医療保険財政の改善に資する。国も2020年9月までに、ジェネリック医薬品の使用割合を80%とし、達成できるよう使用促進のための施策に積極的に取り組んでいる。
薬局で「ジェネリック医薬品に変更しますか」と、よく聞かれますが、ジェネリック医薬品へ変更することによるメリットは何ですか?
岸本常務理事
「ジェネリック医薬品を安心してご利用下さい」と話す岸本真常務理事 |
ジェネリック医薬品は、皆さまの薬代を減らし、高騰する国の医療費抑制にもつながります。また、ジェネリック医薬品には有効成分は同じままで、錠剤の大きさを小さくしたり、表面の苦みをコーティングしたり、味や形をより飲みやすく工夫しているものもあります。
ジェネリック医薬品の効き目は本当に大丈夫なんですか?
岸本常務理事
(図1)
ジェネリック医薬品は、先発医薬品の特許が切れた後に、別の製薬会社が製造・販売する医薬品です。(図1)ジェネリック医薬品を製造・販売するには、厚生労働省からの許可が必要となります。このとき、先発医薬品と同等の品質で、飲んだ後の体の中での流れが同じであることを科学的に証明した資料などが求められます。したがって、ジェネリック医薬品は「先発医薬品と同じ有効成分を、同じ量含んでおり、同等の効能や効果が得られる」と国に認められた医薬品です。ちなみにこの〝ジェネリック〟とは、英語で〝普及した〟とか〝一般的な〟という意味があります。
先発医薬品の価格の3割から6割程度
ジェネリック医薬品は同じ効き目なのに、なぜ値段が安くなるのでしょうか?
岸本常務理事
新薬の開発には、数十年程度の長い期間と数百億円もの費用が必要といわれています。一方、ジェネリック医薬品は、先発医薬品のように多額の費用を使わずに製造・販売されるので、その分、薬の価格が安くなります。
実際のところジェネリック医薬品の価格は先発医薬品の3割から6割程度になっています。
鹿児島県のジェネリック医薬品使用割合は全国第2位
ジェネリック医薬品は実際どのぐらい使われているのでしょうか?
岸本常務理事
あるデータによりますと、平成30年1月のジェネリック医薬品の全国の使用割合は、74・3%となっていました。ちなみに、鹿児島県は80・6%と全国第2位の高い使用割合となっています。(図2)
なお、平成30年度から国民健康保険の財政責任主体が、都道府県に移っています。「医療費適正化」を、これまで以上に「我が事」として考える必要があります。仮に国民の負担能力を超えて医療費が増加すると、「保険証1枚あれば、安い自己負担で高水準の医療を受けられる」この素晴らしい保険制度が崩壊してしまいます。そうさせないためにも、まずできることは何か!一つご提案したいと思います。それは、ジェネリック医薬品を使用することです。
皆さまでこの素晴らしい仕組みを守っていきましょう。
(図2)