お口の健康状態をチェックすることから始めよう ※オーラルフレイルについて ー国保でHOT情報2020年7月ー
6月4日から10日までの1週間は、歯と口の健康週間となっています。早期の老化のサインと言われる口腔機能の衰え「オーラルフレイル」について、鹿児島県歯科医師会 医療介護連携委員会委員の田島宏臣先生にお話を伺い、6月6日にお伝えしました。
体が衰えていく始まりのサイン
「オーラルフレイル」と聞きなれない言葉ですが、どんな意味なのでしょうか。
「まずは歯科医院でお口の検診を」と話す田島宏臣先生 |
田島先生
これはお口の機能の低下を表す言葉です。今後体が衰えていく始まりのサインということが最近わかってきました。
お口の機能とは具体的にどのようなことでしょうか?
田島先生
話す・食べる・飲み込むなど私たちが普段ごく当たり前のように気にせず使っている機能のことです。お口の機能低下は40代から始まる方もいると言われています。
オーラルフレイルとはどのような病気なのですか?
田島先生
病気という概念ではありません。人によってはかむ力や舌の力などが弱くなり、お口の機能が低下しやすくなってしまいます。オーラルフレイルの症状がどんどん進行すると全身の状態にも影響します。
それがどんどん進行するとどうなるのですか?
田島先生
お口のまわりのささいな衰えが積み重なると、全身疾患の悪化につながり、認知症や誤嚥性肺炎、窒息のリスクが高まります。
オーラルフレイル予防のために
オーラルフレイルのことがよくわかりました。このように認知症や引きこもりなどにも関係しているなんて驚きです。口はまさに命の入り口なのですね。
田島先生
そうなんです。気づかれずにオーラルフレイルになっている方に対して改善のための指導をしていくことは今後歯科医師会の新しい取り組みになります。指導には歯科衛生士の協力も必要不可欠になってきます。
ではオーラルフレイル予防のためにはどうすればいいでしょうか
田島先生
はい。まずは歯科医院でしっかりとお口の健診を受けてください。 その際むし歯や歯周病があればしっかりと治療を受けていただき、また義歯をお使いのかたも入れ歯のチェックを受けてください。そうして噛める、食べられる環境の整備をすることが大変大事です。これから歯科医師会としても県民の皆様にこのオーラルフレイルを広く周知していき、心身ともに健康な人生のお手伝いをしていきたいと考えております。
2020-08-03
カテゴリー: 国保でHOT情報