健康づくりは自ら楽しみ伝えていくもの -国保でHOT情報2016年1月号-
高齢者が住み慣れた地域で安全な日常生活を送ることを目的に開設されているふれあいサロン。国保でHOT情報では、日頃からこのようなサロンで指導や支援に携わっている方々のスキルアップを図るため、いちき串木野市のいちきアクアホールで開催された「高齢者ふれあいサロン支援者研修会」の様子を取材し、1月13日にお伝えしました。
高齢者の健康保持・寝たきり防止に役立てる
「高齢者ふれあいサロン」とは、高齢者の方々が住み慣れた地域で日常生活が送られるよう、健康づくりなどをしながら、地域で親睦を深める集まりである。主に65歳以上を対象に健康相談や食事指導、さまざまなレクリエーションなどを行っている。 海辺のすぐ近くにあるいちき串木野市のいちきアクアホールで開かれた「高齢者ふれあいサロン支援者研修会」には、日置市・いちき串木野市・十島村で高齢者ふれあいサロンを支援している方々が参加した。この研修会は、高齢者の方々が住み慣れた地域で、豊かな人間関係を保ちながら、安全な日常生活が送れるよう必要な知識・技能を修得することを目的に実施している。 支援者とは、在宅保健師や在宅看護師、健康づくり推進員の方々などで、市町村とも連携をして、地域で気軽に利用できる家庭的な雰囲気の場を作って、高齢者の健康保持、寝たきり防止に役立て、医療費を適正化することを目的としている。
紙コプターの折り方を説明する石松成子先生 |
指先を使うことは脳の活性化につながる
午前中に行われた『脳活性化のための折り紙作り』の講師は、石松成子先生。石松先生は、姶良市でホームヘルパー介護支援員に従事した後、高齢者の福祉レクリエーションとして、あやとりや折り紙などの伝承遊びを、サロンなどで指導している。 折り紙作りで指先を使うことは、脳の活性化につながり、出来上がったときに達成感が感じられる。紙コプターや紙風船、ちゅうがえりうま、重ね箱などいろんな物を作り、サロンでの盛り上がりが目に浮かぶようだ。 石松先生は「折り紙を折って、指先を使うことが脳を刺激して活性化につながることが一番なのですが、折っている時の楽しさ、出来た時の喜びもとてもいいと思います。やっぱり、喜び、楽しさは健康の秘訣だと思いますよ」と話している。
参加者の声を聞きながらゆっくり行う体操
いすに座ってボールを使って行う健康体操を指導する米澤多美子先生 |
午後からの『いきいき健康体操』の講師は、米澤多美子先生。米澤先生はスポーツクラブやカルチャークラブで、エアロビクスや高齢者向けの健康体操などの指導をしている。 今回はいすに座ってボールやゴムバンドなどを使って行う健康体操で、一つ一つの運動の間には、必ず休憩を入れることが大切である。いすもボールも身近にあり、あまり無理のない体操で、自宅でも気軽に出来る。 米澤先生は「ストレッチ、筋力作り、バランス運動、有酸素運動、以上の4つを組み合わせ、その日の参加者の体調、年齢、気候、人数、時間帯などを考慮して、4つすべてを行ってもよいですし、2つ、3つを組み合わせてもいいと思います。参加者の声を聞きながら、ゆっくり行っていくことが大切ですね」と話している。
人とのふれあいや心のひびきあいが大切
ひもを使ったゲームを指導する山本良江先生と楽しく競い合う参加者 |
続いて『脳活性化のためのレクリエーション』の講師は、山本良江先生。山本先生はレクリエーション講師の資格取得の講義や高齢者を対象としたリハビリやレクリエーションの研究などをしている。 国保健康体操のほか、お手玉やひもを使ったゲームで楽しく競い合い、会場内は笑顔と歓声に包まれていた。 山本先生は「だれでも、いつでも、どこでも出来る楽しいプログラムが出来たらいいなと思っています。動くこと、人のいる場所に出かけることは、一つのきっかけ作りです。人とのふれあいや心のひびきあいを大切にしたいですね」と話している。 最後は、鹿児島県在宅保健師・看護師会による寸劇「おばあちゃんのうつ病」も紹介され、ユーモラスでためになる内容であった。 参加者からは「今までにないことを経験させてもらいました」との声が聞かれた。
ふれあいサロンは高齢化が進むなか重要な存在
本会事業課の坪内幹哉課長は「高齢者ふれあいサロンは、高齢化が進むなか、重要な存在となっています。国保連合会では、高齢者ふれあいサロン支援者の方々が、日頃の活動を活性化できるよう研修会を県内各地で開催しています。これから、高齢者ふれあいサロンを新たに立ち上げようとお考えの方や、支援者になろうと思われる方がいらっしゃいましたら、ぜひ国保連合会まで、ご連絡をお願いします」と呼び掛けた。 この研修会は、高齢者の方々への声のかけ方や日頃の活動に活かせる新しいレクリエーションなどが学べる場になっている。