納期内納税者との公平性を保つために滞納処分を強化する -国保でHOT情報2016年3月号-
国保でHOT情報では、国保に加入している皆さんの医療費などに充てられる貴重な財源である国保税(料)の収納率向上の取り組みについて、垂水市税務課の野村宏治主幹兼管理収納係長にお話を伺い、2月24日にお伝えしました。
財産調査を徹底し差し押さえる
垂水市では、どのような取り組みを行っているのですか?
野村係長
平成25年度に、国保連合会の国保税収納率向上アドバイザー派遣支援事業を導入したことをきっかけに、収納率向上に対する取り組みに力を入れ始めました。
どのように取り組まれたのでしょうか?
野村係長
まず市役所の税務課に、納期限内に税を納めない方への滞納処分を強化する旨のポスターを掲示するなどして、徴収に取り組んでいることが市民の方々に伝わるようにしました。そして、財産調査の徹底を図り、財産を発見したら差し押さえ、納期限内に税を納めない方から延滞金を徴収するなど法律に沿って業務を行いました。
納税は国民の義務
税務課の窓口カウンターには、滞納処分を強化する旨のポスターや車の差押えを暗示したロックされたタイヤも展示している |
その効果はいかがだったのでしょうか?
野村係長
平成24年度現年分93・27%、滞納繰越分11・97%の国保税収納率が、平成26年度は現年分95・21%、滞納繰越分23・71%になりました。私たち徴収職員は、納税は国民の義務ということを市民の方々に再認識していただき、納期内納税者との公平性を保つために、滞納者の有する財産を調査して差し押さえなければなりません。ただし、それだけではないのです。本当に払えないのか。払えるのに払わないのか。その見極めをすることが一番大事なのです。そのために滞納処分による捜索を行い、本人の生活状況等を確認します。
滞納処分による捜索について教えてください。
野村係長
まずは、その方の経済状態など、本人に聞き取りをします。事前に調査はしてありますが、本人と直接話を聞く中で、新たに分かることもありますので、聞き取りは重要です。ケースによっては、滞納の原因は、生活苦で消費者金融からの借金を重ねたことで税金が後回しになっていたという事例もありました。捜索したことで、その借金額に過払い金があることが判明し、過払金の返還請求をするため、弁護士を紹介した例もあります。その他、失業や病気、災害などにより納税で困っている場合には、市役所へ早めに相談していただくようお願いします。
滞納処分により差し押さえられた物は、どうなるのですか?
野村係長
差し押さえた物は、インターネットによるオークションや公売会で広く一般に向けて売り出し、売上金は、滞納税に充てます。