身近な健康生活を相談できるかかりつけ薬局-国保でHOT情報2013年9月号
かかりつけ薬局は、薬の服用の履歴や副作用などについて管理し、薬剤師が薬の使用の状況・病状や心身の状況を把握したうえで薬剤に関する情報提供を行います。そこで国保でHOT情報では、かかりつけ薬局について公益社団法人鹿児島県薬剤師会の常務理事で、さつき薬局の小田原一弘先生にお話を伺い、7月31日にお伝えしました。
信頼できるかかりつけ薬局
かかりつけ薬局とは、どういうものなのでしょうか。
信頼できる薬局を持つことを推奨する小田原一弘常務理事 |
小田原先生/
1人の患者さんがかかる医療機関は1つではありません。内科、外科、眼科そして歯科にもかかります。それぞれの医療機関から薬の処方せんが発行されますが、その処方せんを患者さん本人が決めた薬局=かかりつけ薬局で薬をもらうことを推奨します。処方せんの薬だけでなく、一般用医薬品(OTC)を含めての薬の飲み合わせのチェック、副作用の確認、アレルギー歴など総合的に患者さんと共に健康生活へのお手伝いをさせて頂きます。
処方せんは医療機関の近くの薬局に持って行かなくても良いのですか。
小田原先生/
薬を受け取る薬局は、患者さん自身が(自由に)選択できます。便宜上、近くの薬局に行く場合もあると思いますが、ご自身が信頼できる薬局(かかりつけ薬局)を持つ事を推奨します。
かかりつけ薬剤師というものもあるんですよね。
小田原先生/
かかりつけ薬局から一歩進んで、かかりつけ薬剤師と言う概念があります。自分の服用する薬の内容、健康相談など、身近な健康生活を相談できる薬剤師さんを見つけて下さい。
「おくすり整理そうだんバッグ」の活用で薬を整理
ところで、「おくすり整理そうだんバッグ」というものがあるそうですね。
薬の飲み合わせのチェック、アレルギー歴など患者の健康を維持する |
小田原先生/
鹿児島県薬剤師会が独自に取り組む、自宅に余っている薬の整理事業です。安心して、正しく無駄なくお薬を飲んで頂くために、患者さんと薬剤師とお薬をつなぐ大切な連絡袋です。患者さんの負担軽減、医療費の削減にも効果があります。
具体的には、どのように利用されるのですか。
小田原先生/
服用しなかった薬を大事にとっておき、のちほど服用するという事は誰でも考えることです。しかし、それも時間が経つと何の薬か解らない、更に、その薬をもらった時の体の状態と違う場合など、服用すると身体に支障が出る場合もあります。自宅に余っている薬は「おくすり整理そうだんバッグ」に入れて、かかりつけの薬局へ持って行くことをお奨めします。薬局、薬剤師が整理し、使える薬は本人に限り再利用し、それ以外の薬は本人にお返しするか、薬局にて処分させて頂きます。
これは、医療費の削減にもつながりそうですね。
さつき薬局では「おくすり整理そうだんバッグ」の活用を促している |
小田原先生/
医療費の増加が国の財政を圧迫している事は皆様もご存知と思います。先程も言いましたが、「おくすり整理そうだんバッグ」を利用することで医療費の削減につながります。また、実際には服用していない薬を継続的に受けとっている場合もあるようです。そのような場合は医療機関へお知らせ下さい。もし、伝えにくい場合には、かかりつけ薬剤師にご相談頂ければ適切なアドバイスが出来ることと思います。
薬のことで困ったら相談を
「おくすり整理そうだんバッグ」は患者さんと薬剤師とお薬をつなぐ大切な連絡袋です |
健康生活の維持にも役立ちそうですね。
小田原先生/
そうですね。本来は、自分の健康は自分で守るのが基本ですが、自己判断による服薬の調整、中止などは健康生活に支障を起こしかねない場合もあります。薬に関しては薬剤師にご相談下さい。
それを応援するのが「かかりつけ薬局」ですね。
小田原先生/
はい、なんでも相談できるかかりつけ薬局、かかりつけ薬剤師を目指しています。その為の「おくすり手帳・おくすり整理そうだんバッグ」等のご活用をお願いします。