よくある質問

血管内皮を守るための食-第4回教えて健康法-

はじめに

「血管内皮」という言葉を聞いたことはありますか?

今、書店、コンビニ等の書籍コーナーで、このことが書いてある本をよく目にします。

話題の「血管内皮」を守る食を考えていきます。

血管内皮って?

資料1をご覧ください。

私の血管内皮を守るために
太い血管・目に見えないくらいの細い血管すべての血管の内側に、内皮細胞があります。内皮細胞は、ただ血液を流す役割だけでなく、伸び縮みして血液量や血圧を一定にしたり、動脈硬化を防いだり、血液が固まらないように調節してくれています。

電子顕微鏡で見るとその内皮の表面には、グリコカリックスという毛のようなものが生えていて、それがきれいに生えそろっていれば血液はサラサラとスムーズに流れます。しかし、健診結果の異常が認められたり、生活習慣に支障がある場合は、そのグリコカリックスが抜け落ちて、流れが乱れ、傷んでいくのだそうです。

今年度、特定健診は受けられましたか?

健診結果で、血管内皮を傷めるリスクがないかどうかを確認することができます。肥満(BMI、腹囲)、中性脂肪、LDLコレステロール、血糖、血圧、尿酸などの数値が高くなっていないか、ご覧になってみてください。

まだ、受けていない方は、ぜひ、特定健診を受けることをお勧めします。

私たちの体は、60兆個(6に0が13個もつきます!)の細胞でできています。生命の源である心臓や脳、腎臓も細胞と血管でできています。体中の血管内皮細胞を守り、細胞に栄養と酸素がスムーズに送り届けられるようにすることで、健康を保ち、生活習慣病を予防したいものです。

血管内皮細胞には、食が最も大きく関わっています。血管内皮を守るためには体に必要な栄養素をバランスよくとる事が重要なので、食事の糖質、脂質やたんぱく質、ビタミン、塩分等、栄養素について考えてみましょう。           

血管内皮と栄養素はどんな関係があるのでしょう

健診データには、中性脂肪、LDLコレステロール、血糖などの項目がありますが、それぞれのデータのもとは、食べたものの栄養素です。

血糖は、炭水化物が血液に入ってエネルギーとして出し入れされた状態を表し、中性脂肪やコレステロールは、脂質が、エネルギーや体の材料として利用された状態を表しています。

たんぱく質は、特定健診項目にはありませんが、常に血液中に存在し、体や血管を作る材料になっています。人間ドックや病院の検査で、「総蛋白」という検査項目を調べた経験がある方もいらっしゃると思います。

たんぱく質を血管に作り変えていくためには、ビタミン類も一緒に存在することが重要です。また、これらのビタミン類には、同時に血管内皮の炎症を防ぐ抗酸化作用もあります。

必要な栄養素を摂るために

人間は、どうして雑食なのでしょう?

牛やヤギなどの反芻動物は、草を食むだけで、あんなに大きな体を作ることができます。牛は、胃の中にすんでいる微生物が草を栄養源にして増え、その微生物を消化することで、たんぱく質を取り込んでいます。

人間の場合には、すべての栄養素は作れないので、食品から摂取する必要があります。

食品の特色をみてみます

資料2をご覧ください。

食品の特色

主な栄養素の成分で、食品を4つのグループに分けました。

スーパーでは、グループごとにまとまって陳列されていることが多いと思います。

1群は牛乳・乳製品と卵で、細胞の材料になる良質のたんぱく質が含まれています。この点では、2群の魚、肉、豆・豆製品も同じですが、1群には、ビタミンやミネラルがバランスよく含まれています。卵は、消化も良く、赤ちゃんが離乳食で初めて出会うたんぱく質です。1群と2群には、同時に細胞の材料やエネルギーになる脂質も含まれています。

3群は、野菜、いも類、果物類、きのこ類、海藻類です。

共通点は、水分を豊かに含んでいることです。その水分にビタミンやミネラルが溶け込んでおり、食物繊維も豊富なので、消化吸収がゆっくりと進み、いかにも体を清々しくしてくれそうな気がします。人間の体は、半分以上が水分でできていますから、内皮細胞を良い状態に維持するために、とてもふさわしい食品と言えます。

緑黄色野菜には、ビタミンA、E、Cなどが、他に類を見ないほどたくさん含まれています。

いも類に、ビタミンCが含まれていることをご存知ですか?いも類は、いわば野菜にデンプンがたくさんたまったものです。主食にしている国がありますが、何となく分かるような気がします。貯蔵性があり、いつでも食べられる利点もあります。

果物は、種類によって糖質の割合が違います。果物も野菜に糖質がプラスされた食べ物ですね。

4群のごはん・パンなど、嗜好品、砂糖、調味料の油は、活力や体温となるエネルギー源になるものです。ですから、必要な量は、人によってまちまちです。

体を作り、血管内皮を守るために必要な栄養素を摂るには、各群の食品をバランスよく摂ることが必要です。

次回は、具体的に何をどれだけ食べれば良いかを考えます。
  

中村 千恵子(なかむら ちえこ) プロフィール

中村千恵子先生【プロフィール】

管理栄養士

保健活動を考える自主的研究会事務局

長野県千曲市在住

【主な活動歴】
  • 近隣市町村、他県での保健活動(母子・乳幼児健診、成人・特定保健指導)
  • 兵庫県尼崎市での職員保健指導、国保ヘルスアップ事業、特定保健指導
  • 三菱電機関連事業所社員の保健指導
  • 宮城県亘理町、福島県会津若松市等保健指導アドバイザー など
2018-12-03
カテゴリー: 教えて健康法 

カテゴリ:教えて健康法

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