血管内皮を守るための食その2-第5回教えて健康法(栄養)-
健康を保持増進するための「日本人の食事摂取基準」
前号では、血管内皮を守ることが生活習慣病の予防になり、血管内皮は、食品に含まれる栄養素で作られ、維持されていると書きました。
さて、皆さんは、毎日、食べるものの種類や量をどうやって決めていますか?
日本には、健康の保持増進を目的とした「日本人の食事摂取基準」があり、「厚生労働大臣は、生涯にわたる国民の栄養摂取の改善に向けて望ましいエネルギーや栄養素の量の基準を定める」と、健康増進法に書かれています。これをもとに、考えていきます。
総エネルギーを算出します
資料1と資料2をご覧ください。
次の方を例にして見ていきましょう。
例 55歳 男性 身長165cm、体重73kg 主にデスクワーク |
何をどれだけ食べたらいいのでしょう
次に、エネルギーだけではわかりにくいので、一日に必要な栄養素が適切に摂れるように、食品の組み合わせを考えたのが、資料3です。
縦に食品群と代表的な食品(③)、横には血液中の物質名(①)とその物質のもとになる栄養素(②)が示してあります。 この栄養素の必要量(黄緑色の部分)が食事摂取基準に定められた量なのです。
先に例に挙げた男性の総エネルギー量は、1940kcalでした。資料3では1966kcalとなっていますので、この表のように食べていただくとほぼ良いことになります。
このように様々な食品の種類と量をまんべんなく摂ることによって、健康を保持増進するためのエネルギーと栄養素が得られるのです。そして、そのためにも、食品の特性を知ることはとても大切です。例えば、牛乳の欄をご覧ください。カルシウムだけでなく脂質やたんぱく質、炭水化物、ビタミンAや他の栄養素も含まれています。木綿豆腐はどうでしょう。油が、4.6gも含まれています。「ヘルシー!」だと思って、1丁も食べると脂質の取り過ぎにつながってしまいます。
1群から3群までの種類と量は、成人はほぼ共通です。ただし、総エネルギー量が2000kcalを超えた方は、2群の魚、肉、木綿豆腐のいずれか1種類を2倍にします。
4群のごはんや、料理に使う油は、身長、性別、年齢、活動量によってまちまちなので、資料4を参考にしてください。
詳しくは、お住まいの市町村の栄養士さん、保健師さんにご相談ください。
資料1~4 出典 保健活動を考える自主的研究会 保健指導教材
中村 千恵子(なかむら ちえこ) プロフィール
【プロフィール】
管理栄養士
保健活動を考える自主的研究会事務局
長野県千曲市在住
【主な活動歴】
- 近隣市町村、他県での保健活動(母子・乳幼児健診、成人・特定保健指導)
- 兵庫県尼崎市での職員保健指導、国保ヘルスアップ事業、特定保健指導
- 三菱電機関連事業所社員の保健指導
- 宮城県亘理町、福島県会津若松市等保健指導アドバイザー など