にこにこペースを理解しよう!-第9回教えて健康法(運動編)-

にこにこペースを理解しよう!

私たちの心臓は、起きているときも、寝ているときも、ひと時も休むことなく動き続けています。

心臓が1回の拍動で送り出す血液の量(一回拍出量)は、コップ一杯程度(60~140㎖)。

1分間で5.5ℓ(心拍出量)、1日だとドラム缶40本分の8,000ℓ、人生100年とすると、石油タンカー一隻分にもなるのです。

計算してみるとすごいですよね。

運動すると、心拍数が上がり、息が切れてきますが、私たちの心臓はいったいどのくらいまで動くのでしょうか?

実は、ヒトの最高心拍数は、体力の差に関係なく、「220−年齢」という簡単な計算式で求めることができます。

この計算式によって100%の強度が推測できますので、目的に応じて心拍数による強度の設定が可能になるわけです。

今回のテーマは、「にこにこペース」。

心拍数をコントロールしたトレーニングの理論を理解し、安全で効果的な運動実践に繋げましょう。

にこにこペースの心拍数とは

運動プログラムを作成する際、私たち指導者は、種目・強度・時間・頻度を設定しますが、安全で効果的な運動を行うには、強度設定が重要なポイントです。

ベンチプレス等の筋力系トレーニングでは、最大で持ち上げられる重さの何パーセントの重量にするかということであり、ウォーキングやジョギング等の有酸素系トレーニングでは、持久的能力の指標である最大酸素摂取量※や、最高心拍数の何パーセントに設定するかということになります。

にこにこペースの運動とは、笑顔を保って走れるくらいゆっくりしたペースでの有酸素運動(aerobics with smile)のことです。(図―1参照)

運動中の心臓の動きとニコニコペース

強度で言うと、50%相当であり、血液中の乳酸濃度がちょうど増え始めるところにあたります(乳酸性作業閾値:LT)。

この強度では、まだ余裕がある状態ですが、先に説明したコップ1杯分に当たる一回拍出量が最大になるポイントであり、心臓自体はフルパワーに近い状態で動いているのです。

それ以上の強度になると、心拍数を増やすことで、送り出す血液の量(心拍出量)を確保していきますが、同時に、疲労物質である乳酸が蓄積するため、長時間継続することが困難になってきます。

つまり、にこにこペースとは、疲労物質である乳酸がたまらずに運動を続けることができる最大の強さであるといえます。

また、交感神経が興奮し始め、エネルギー源として糖のほかに脂肪が最もよく使われる強さでありながら、苦しさを感じることなくニコニコと笑顔を保ちながら運動できる、とっても素敵なポイントなのです。

高血圧の治療や心臓リハビリテーションにも勧められているのも頷けますね。

にこにこペースの求め方も簡単で、138−(年齢÷2)。

最近は、腕時計式活動量計等のウェアラブル端末が普及してきており、運動中の脈拍数を手軽に計測ができるようになってきました。

アプリと連動した様々なツールが開発されており、近い将来、スタンダードなアイテムになってくることは間違いないでしょう。

【※最大酸素摂取量】
1分間に体重1kgあたり取り込むことができる酸素の量(ml/kg/分)。全身持久力の指標として用いられている。

運動後に取り戻している酸素借

激しい運動をした後、休憩を挟まなければ動けなくなった経験、誰でもおありでしょう。

図―2は、運動中に必要な酸素の量(酸素需要量)を表しています。

運動中の酸素摂取量と酸素借

運動中に必要な酸素の量はA+B。

そして、運動後に補う不足分の酸素量がCです。

Bは運動中に摂取できる酸素の量ですが、不足する分Aを「酸素借」(もしくは酸素負債)といい、運動後にCとして補っています。

つまり、不足分であるAと補充分であるCの面積は同じになります。

上の図のようににこにこペースのような有酸素運動の時は、酸素借は少なくて済むので、運動終了後は速やかに心拍数が低下し始め、短い時間で不足分を補うことが可能ですが、下の図の無酸素運動の場合はそうはいきません。

激しい運動をした後に、しばらく動けなくなるのはこのためです。

「健康づくり」を目的とした運動には、にこにこペースはとてもお勧めできます。

ポイントは、話をしながら笑顔で運動できる強度(心拍数)でありながら、しっかり汗をかけること。

そして、運動後は速やかに呼吸が楽になり、心拍数が安静時の状態に戻り始めることが、無理のない強度で運動を行っている目安になります。

運動は、いつでも、どこでも気軽に実施できる健康法です。

このシリーズでご紹介した、正しい姿勢で、体幹を安定させ、にこにこペースで継続していくことを目標にしましょう。

桑原祐一(くわはら ゆういち) プロフィール

桑原先生の写真

健康運動指導士/ヘルスケア・トレーナー

【学歴】

鹿児島県立川内高等学校 卒業
鹿児島大学教育学部 保健体育科 卒業
同大 大学院教育学研究科 修了

【現職】

株式会社ニチガスクリエート
アーバン・ウェルネス・クラブ エルグ 副支配人

2019-10-02
カテゴリー: 教えて健康法 

カテゴリ:教えて健康法

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