“健診年齢”のあなたが 家族の健康を守る -教えて健康法(レシピ編第3回)-
「食」から健康を考えるこのシリーズも最終回になりました。ライフステージの異なった家族の食をよりよく守るための要は、健診年齢のあなたの“食”です。食生活はちょっとした工夫で家族のそれぞれの年齢にあった食生活を続けることができるかも・・・そのヒントを考えてみましょう。
私たちの食生活も大きく変わりました。日本人は戦前・戦中・戦後の“食糧難”の時代、またたゆまない努力の結果得られた“飽食”の時代を経験し、さらに無防備で自由な食生活の結果生じた“栄養障害の二重負荷”に陥ろうとしています。日本の食の歴史は、戦後の「日本人の栄養所要量=栄養摂量不足の改善」から「日本人の食事摂取基準=過剰栄養摂取の予防」、そして今、栄養の過剰と不足の二面性を合わせ持った健康障害、過栄養による生活習慣病そして高齢者の低栄養の現状です。
特定健康診査・特定保健指導はメタボ検診と言われます。健診年齢の60代・70代の方も徐々に食生活も豊かになり大人になったときは、すでに豊かな食を楽しんできた方です。40代・50代の方はさらに好きな時に・好きなものを・好きなだけ食べられる飽食を楽しんでいます。健診は、豊かな食生活をどのように楽しんだら生活習慣病のリスクを避けられるか 見直すチャンスです。
健診年齢の皆さん方の食生活の基本
- 適当な食事の量
- バランスの取れた食事
- 減塩
- 十分な食物繊維摂取
- 食事のリズム
このほかいろいろなチェックポイントが考えられますが、もう一度標準的な1日3食の基本メニューを見てみましょう。
ライフステージ別の食のポイント
1.次世代
- 発育のための栄養補給
- 正しい食習慣の形成
- 社会性の育成
2.働き盛り
- ジャンクフードからの脱却
- 食生活の見直し
- 考えて食べる食習慣
3.高齢者
- 典型的な高齢者はいない
- 食生活の自立
- 低栄養になってからでは遅い
標準的な成人男子の標準的な献立
この食事をライフステージに合わせる工夫をしてみましょう。
次世代:8歳児童への工夫 | 働き盛りの食事 | 高齢者:80歳男性への工夫 |
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≪朝食≫
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※平日は学校給食
※休日は子ども自身で準備できる食事にすることも! |
≪昼食≫
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≪夕食≫
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エネルギー 1835kcal たんぱく質 75g 脂肪 55g 食物繊維 18g 食塩 6.5g |
エネルギー 2040kcal たんぱく質 76g 脂肪 49g 食物繊維 20g 食塩 6.3g |
エネルギー 1750kcal たんぱく質 66g 脂肪 46g 食物繊維 16g 食塩 4.9g |
健診年齢の皆さんの食事は、健康を守り病気を予防するものです。皆さんが美味しく食べる姿が、次世代の子供たちの美味しさを知る入り口です。高齢者にとっても 家族と同じ食事を美味しく食べられることが 健康年齢を延ばす大切な手段です。
皆さんの食生活のパターンが家族の手本であり、「命」をつないでいくことを忘れないでください。
《プロフィール》 油田 幸子(アブラダ サチコ)
【略歴】
1968年 鹿児島県立短期大学家政科生活科学専攻卒
2007年 JA鹿児島県厚生連栄養管理科指導主幹
【役職】
鹿児島県厚生連病院 栄養管理科指導主幹
(公社)鹿児島県栄養士会理事・病院協議会会長
鹿児島県食の安心・安全推進委員会委員
鹿児島県在宅医療連絡協議会委員 その他
【資格】
管理栄養士
日本病態栄養学会認定病態栄養専門師
日本病態栄養学会認定NSTコーディネーター
日本糖尿病療養指導士
日本静脈経腸栄養学会認定NST専門療法士