よくある質問

第2回「高血圧予防のための運動」-教えて健康法 運動による疾病予防編-

高血圧の分類

血圧はさまざまな条件によって変化します。例えば、病院で白衣を着た医師に血圧を測られるだけでも緊張によって血圧が上昇することがしばしばあります。睡眠不足や飲酒、入浴、運動直後などの普段の生活における安静とは異なる状況では血圧も変動します。また、1日のなかでも変動します。まずは、ご自身の血圧の状態を把握することが重要です(表)。家庭での血圧測定では、朝の起床後の1時間以内(排尿後、服薬前、朝食前)、および晩(就寝前)に座位1~2分の安静後に測定することが推奨されています。

健康日本21(第2次)における目標設定

健康日本21(第2次)においては、高血圧の低減を図るうえで、「栄養・食生活」、「身体活動・運動」、「飲酒」、「降圧薬服用率」の4つの生活習慣を改善することの重要性が示されています(図)。身体活動・運動については、歩数の増加と運動習慣者の割合の増加が掲げられています。つまり、普段から歩数を増やすような習慣的な運動の機会を持つことが重要となります。

有酸素運動

降圧効果が最も期待される運動は、有酸素運動です。運動強度は最大酸素摂取量の40~60%程度が推奨されており、自覚的に運動強度を把握するボルグ指数に置き換えると「ややきつい(12から14程度)」に相当します(表)。高血圧の改善および予防のためには、できれば毎日30分以上の定期的な運動が推奨されます。1回につき少なくとも10分以上持続する運動が望ましいです。ウォーキングなどの全身を使い、少し息がはずむ程度が目安です。しかしながら、毎日30分以上の運動を行うことは非常に大変です。日常のちょっとした時間に歩く時間を増やしたり、階段を使うように心がけたり、普段の生活で身体活動を増やせるように工夫することも大切です。

レジスタンス運動(筋力トレーニング)

高血圧の改善および予防のための運動では、有酸素運動が第一に推奨されますが、レジス タンス(抵抗)運動の単独でも降圧効果が認められています。そのため、高血圧の改善および予防のためには、有酸素運動に加えて、筋力トレーニングを実施することも推奨されます。筋肉は急激に強く収縮させると、損傷を起こして怪我につながります。ストレッチなどの柔軟運動から始めることが重要です(図・表)。

 

プロフィール

氏名 牧迫 飛雄馬

現職

 ・鹿児島大学医学部保健学科理学療法学専攻 教授

 ・国立長寿医療研究センター予防老年学研究部 客員研究員

 ・放送大学 客員教授

学歴

平成13年 国際医療福祉大学保健学部理学療法学科卒業(理学療法士)

平成15年 国際医療福祉大学大学院博士前期課程修了(修士(保健学))

平成21年 早稲田大学大学院博士後期課程修了(博士(スポーツ科学))

専門領域

健康・スポーツ科学、介護予防、地域リハビリテーション、老年学

専門理学療法士(生活環境支援理学療法・基礎理学療法)、認定理学療法士(介護予防)

 

2021-07-28
カテゴリー: 教えて健康法 

カテゴリ:教えて健康法

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