よくある質問

第1回 「ストレス」と「メンタルヘルス不調」-教えて健康法 メンタルヘルス編-

はじめに

新型コロナウィルス感染症が日本でも拡大して以来、長引く感染に対する不安を抱えながら、行動制限等の対策により、私たちは大きな変化を迫られました。
令和3年3月、厚生労働省から報告された「新型コロナウィルス感染症に係るメンタルヘルスに関する調査」によると、「そわそわ、落ち着かなくなった」等、実に7割近くの人が、環境の変化に伴い心理面に多大な影響があったと回答しています。(図1)
こうした心理面の変調は多くの人が抱えており、近年、こころの健康づくり(メンタルヘルス)は身近なテーマとなっています。

ストレスって何?

では、ストレスとは、いったいどのような状態を指すのでしょうか。
ストレスとは、外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態のことを指します。主に、「心身に負荷がかかった状態」という意味で使用されています。
外部からの刺激には、天候や騒音などの「環境的要因」、病気や睡眠不足などの「身体的要因」、不安や悩みなどの「心理的な要因」、そして人間関係がうまくいかない、仕事が忙しいなどの「社会的要因」等があります。
つまり、日常の中で起こる様々な変化がストレスの原因になります。 一方で、「進学や就職」、「結婚」、「出産」といった喜ばしい出来事でも変化であり刺激ですから、実はストレスの原因になります。

 

メンタルヘルス不調について

メンタルヘルスが何をもって「不調」といえるのかは、その人の社会生活や家庭生活への影響といった視点が欠かせません。
例えば、仕事で失敗すると、食欲がなくなったり、翌日職場にいきたくなくなることがあります。このような「落ち込んだ状態」を「うつ状態」「抑うつ状態」といいます。
社会生活を送っている以上、一時的に落ち込むことがあるというのは当然のことです。悲しい出来事も時間の経過とともに、心の折り合いをつけたり、対処したりすることができれば良いのですが、「うつ状態」「抑うつ状態」が続いてしまうと、こころの病気になることがあります。

 

こころの病気の初期サインに気づく

こころの病気の初期サインに気づき、社会生活や家庭生活に支障が出ている場合は、早めに専門機関に相談することが肝要です。
こころの不調やストレス症状には「本人が気づく変化」と「周りが気づく変化」があります。 自分自身で「よく眠れない」等の状態が続くと気づいたら専門機関に相談しましょう。(表1)

また、こころの病気は自分では気づきにくい場合もあります。「周りの人が気づきやすい変化」について(表2)に示してありますので、このような症状があらわれた場合は、早めに専門機関に相談するよう勧めてください。

専門機関への受診の目安は、その人らしくない行動が続いたり、生活面での支障が出ていないかがポイントです。 また、メンタルヘルス不調は自分でも周囲からも気づかぬうちに進行している場合があります。次のような症状がある場合は、セルフケアなどでの対処可能なレベルは超えており、医療機関の受診が急がれます。

◆疲れているのに眠れない

◆好きなことが楽しめない

 この2つの症状が、ほとんど1日中、毎日、1週間以上続く場合は、一人で解決しようとせず、医療機関を受診してください。
また、医療レベルの対応が必要なメンタルヘルス不調には至っていない場合も、日々のストレスケアは重要です。こころの健康について正しく理解し、こころの健康に大切な生活習慣のポイントを知ることがメンタルヘルスの第1歩と言えるでしょう。
他人と過去は変えられませんが、「今自分にできること」に着目することで、今とこれからの自分(の考えと行動)は変わりうるのです。 次回からは、ストレスチェックや自分でできるストレスを緩和する方法等について紹介していきます。

執筆者

鹿児島県民総合保健センター
所長 桶谷 薫

 

2022-05-31
カテゴリー: 教えて健康法 

カテゴリ:教えて健康法

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