教えて健康法
春の息吹でココロもカラダも健康に!-教えて健康法-
1年以上の自粛生活と運動不足
コロナ禍二回目の春。
マスク着用の生活が日常となり、「ステイホーム」「テレワーク」「オンライン」等、この1年で、私たちのライフスタイルは大きく変化しました。
出機会の減少は、私たちの活動量や運動習慣にも大きな影響を与えるでしょう。 今後報告される2020年度の統計データは、運動習慣のある人の割合や歩数の減少、肥満や要介護認定割合の増大等、このパンデミックによる生活習慣の変化が大きく関連する可能性があります。 外出機会の制限により、座位時間の増加が予測されますが、座りすぎは心血管代謝疾患と死亡の危険因子であることが分かっていて、 1日に11時間以上座っている人は4時間未満の人と比べ死亡リスクが40%も高まると言われています。 今年は、家庭で無理なく安全に続けられる運動の必要性が問われてくるはずです。
オンラインでヨガに挑戦! -教えて健康法(運動編第2回)-
オンラインでヨガに挑戦!
新しい生活様式が求められる中、巣ごもり生活でライフスタイルが崩れた方が多いのではないでしょうか。 スポーツ庁が実施した、令和元年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」によると、この1年間に実施した種目については男女ともに「ウォーキング(62%)」がトップで、「階段昇降」「トレーニング」「体操」と続いています。 その中で、女性の実施割合が高い種目は「ヨガ・ピラティス・エアロビクス・バレエ」で、13・0%(男性は2・3% 全体は7・7%)となっています。 脳トレエクササイズに代表される遠心性刺激(脳→カラダ)とは異なり、ヨガ等の自分の内面に意識を向けるこれらのエクササイズは、求心性(カラダ→脳)への刺激が重要で「呼吸法」が深く関係します。
カラダリセット! オンラインでエクササイズ! -教えて健康法(運動編第1回)-
カラダリセット! オンラインでエクササイズ!
WHOは健康の定義を「単に病気でないとか虚弱でないという事でなく、身体的にも、心理的にも、社会的にも満たされた状態」と定義づけています。 コロナ禍で、巣ごもり生活を強いられたことで、定期的に行っていた運動をお休みしてしまったり、外出ができないことで、ついつい暴飲暴食をしてしまい太ってしまったという方も少なくないのでは? 未曽有のパンデミックにより激変したライフスタイル(社会的変化)や、その慢性的なストレス(心理的ストレス)は、少なからず私たちの身体面にも悪い影響を及ぼしているのです。 このような社会的な変化の中、「オンライン」による様々な取り組みが行われ、生活の一部になってきました。運動もその一つ。 今回のテーマは、ストレッチについて。 ストレッチの効果や、ポイントを正しく理解して、動画をつかって実践してみましょう。
高齢期の口腔健康管理について -教えて健康法(オーラル編第3回)-
高齢期の低栄養対策と歯科保健について
超高齢社会の現在、高齢者の『低栄養』が要介護へのリスクを高め、さらに全身状態に影響を及ぼすことが問題視されています。中でも高齢者単独世帯や高齢夫婦のみの世帯が増加し、「毎日の食事の準備が大変、毎日同じものになり飽きる、一人だから簡単にすませる」など少食・偏食傾向となり、健康的に生きるために必要な量の栄養(素)が摂れていない状態『低栄養』になっています。『低栄養』になると、体重減少、筋肉量や筋力の低下、免疫力の低下、感染症にかかりやすい、傷が治りにくいなどの身体の変化がみられ、活動量が減り、閉じこもりがちにもなりさらに食欲低下や食事摂取量の減少で、結果的にさらに『低栄養』を招くという悪循環になるとされています。
低栄養の原因はさまざまですが、近年では、高齢者をとりまく環境因子だけでなく、咀嚼や嚥下(噛む力や飲みこむこと)など口腔機能の低下(衰え)や味覚の変化といった因子も指摘されています。加齢や歯科的局所の問題(歯周病やむし歯、咬める歯の本数など)による噛む力の低下によって食べ物を咀嚼することが困難になり、食べ物が制限されることや、嚥下機能低下のためにお粥やペースト状の食事が中心になりバランスよい食事ができなくなると、必要なエネルギーやたんぱく質やミネラルなどさまざまな栄養素が不足します。また、例えば高血圧などの全身疾患で減塩食となると、味覚低下で味が感じられず、食欲がわかなかったり、食べる事への興味が薄れたりし、食事摂取量が減り、ますます『低栄養』がすすんでしまうことになります。
図1.フレイルとオーラルフレイル |
咬みづらい、むせやすいといった口腔機能が低下した状態は『オーラルフレイル』と呼ばれ、脳梗塞後遺症、パーキンソン病や認知症などでさらに顕著に出現しやすくなるといわれています。また、健康な方でも全身の虚弱(フレイル)が始まる初期段階のサインとしてオーラルフレイルが現れること、オーラルフレイルは要介護や総死亡リスクを約2倍以上も上昇させることも分かってきました(図1)。歯科保健活動として、鹿児島県歯科医師会ではフレイルや低栄養を予防と早期発見するために75歳、80歳の後期高齢者を対象としたお口元気歯ッピー検診を実施しています。
成人期のメタボや糖尿病対策と歯科保健について -教えて健康法(オーラル編第1回)-
成人期のメタボや糖尿病対策と歯科保健について
歯周病とは、学童期の歯ブラシ不良による「歯肉炎」から俗に 歯槽膿漏 と呼ばれる「歯周炎」を含めた総称で、20歳以上の男女のうち70%以上の国民が罹患している「感染症」と言われております。口の中には300種類以上の細菌がいます。むし歯菌は産生する酸で歯を溶かし「むし歯」を作り、また、歯周病菌は産生する毒素によって歯ぐきを腫らし、歯を支えている骨を溶かし、歯を失ってしまう他に直接的もしくは間接的に全身に関与します。歯周病は、「脳卒中」「心筋梗塞」「糖尿病」の他に「認知症」「誤嚥性肺炎」「リウマチ」「早産・低体重児出産」にお口の中の細菌(歯周病菌)が関連しているとの報告もあります。また、メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪型肥満に合わせて、高血糖・脂質異常・高血圧などの生活習慣病の危険因子を併せ持った状態です。これらの危険因子を放置すると動脈硬化が進み、「脳卒中」「心筋梗塞」「糖尿病」などの命にかかわる病気が発症する確立が非常に高くなります。多くの調査の結果より糖尿病や肥満の人に歯周病が多く、それが重症になりやすいことがわかっています。
口腔保健と全身の健康について -教えて健康法(オーラル編第1回)-
口腔の健康は全身の健康にもつながる
近年、口腔の健康が全身の健康に寄与するというデータが蓄積されつつあります。国の施策を見ても、いわゆる骨太の方針に口腔保健について記載されるようになり、2019年度では「口腔の健康は全身の健康にもつながることからエビデンスの信頼性を向上させつつ、国民への適切な情報提供、生涯を通じた歯科健診、フレイル対策にもつながる歯科医師、歯科衛生士による口腔健康管理など歯科口腔保健の充実、入院患者等への口腔機能管理などの医科歯科連携に加え、介護、障害 福祉関係機関との連携を含む歯科保健医療提供体制の構築に取り組む」と記載されています。このように、口腔保健の向上が健康寿命の延伸に寄与することが周知されつつありますが、では具体的にどのような効果が期待されているのでしょうか。
“健診年齢”のあなたが 家族の健康を守る -教えて健康法(レシピ編第3回)-
「食」から健康を考えるこのシリーズも最終回になりました。ライフステージの異なった家族の食をよりよく守るための要は、健診年齢のあなたの“食”です。食生活はちょっとした工夫で家族のそれぞれの年齢にあった食生活を続けることができるかも・・・そのヒントを考えてみましょう。
健康の要!『食塩』 上手につきあい『健康寿命延伸』-教えて健康法(レシピ編第2回)-
私たちはおいしく食べるため無意識に食塩の過剰摂取に陥っているかもしれません。
食塩の過剰摂取が生活習慣病に関連していることがわかってきました。
食塩と上手に付き合い、病気のリスクを減らすこと!
減塩を心がけることこそ、健康長寿の秘訣です。
“食”こそ予防の トップバッター-教えて健康法(レシピ編第1回)-
“食”こそ予防のトップバッター
これからの健康法は、「先進医療」より「先制医療」。その第一の手段として考えられることが、かねてからの食生活管理です。2008年4月から始まった40歳~74歳を対象とした通称“メタボ健診“もかなり受診率が上がってきたようにも思われます。しかし鹿児島県民は全国的に見ても、病院大好き人間が多く医療費はかさむ一方です。
厚生労働省は5年に一度の『日本人の食事摂取基準(2020年版)』を発表します。今回の変更点の柱は、年齢区分の見直し、それに伴う高齢者の適正体重の評価、フレイル・プレフレイル評価、高齢者のたんぱく質目標量の考え方など、高齢者に関連した変更事項が多くなっています。
もちろんこれは、高齢者の自立を確保するための低栄養・サルコペニア・ロコモティブシンドローム予防を目的としていますが、何よりも大切なことは、高齢者といわれる世代になる前から、しっかりと健康のための食生活を身に付けておくことです。
では予防のための“食”とはどんな事に気をつけたら良いのでしょう。
にこにこペースを理解しよう!-第9回教えて健康法(運動編)-
にこにこペースを理解しよう!
私たちの心臓は、起きているときも、寝ているときも、ひと時も休むことなく動き続けています。
心臓が1回の拍動で送り出す血液の量(一回拍出量)は、コップ一杯程度(60~140㎖)。
1分間で5.5ℓ(心拍出量)、1日だとドラム缶40本分の8,000ℓ、人生100年とすると、石油タンカー一隻分にもなるのです。
計算してみるとすごいですよね。
運動すると、心拍数が上がり、息が切れてきますが、私たちの心臓はいったいどのくらいまで動くのでしょうか?
実は、ヒトの最高心拍数は、体力の差に関係なく、「220−年齢」という簡単な計算式で求めることができます。
この計算式によって100%の強度が推測できますので、目的に応じて心拍数による強度の設定が可能になるわけです。
今回のテーマは、「にこにこペース」。
心拍数をコントロールしたトレーニングの理論を理解し、安全で効果的な運動実践に繋げましょう。